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コトノハDailyログ2005年8月

2005-8-6 (Sat)Version 
咽頭痛発症中。声が出ません。きぃ!

【8月6日 快晴】
 あまり、論理的でないお話し。

 今日の関東地方……少なくとも我が家がある千葉県北西部は、朝から突き抜けんほどの青空で、気温は非常に高く、まさに「夏真っ盛り」です。

 60年前の8月6日。広島の朝も、こんな快晴だったとのことです。

 高校生の頃、広島に世界初の核兵器を投下した米軍B29型爆撃機「エノラ・ゲイ」のことを調べたときに、そのことを知りました。爆撃機は、瀬戸内海から、海軍基地のあった呉の上空を通過して、広島に至り、その時、日本軍の対空砲射はほとんどなかったとのことでした。それは、偵察機と思って見過ごしたのか、弾薬の不足から応射できなかったか、恐らくその双方でしょうが、核爆弾を腹に抱えたエノラ・ゲイは、8時14分、広島上空にその荷物を放り出し、再び瀬戸内海方面に向けて急旋回を開始しました。

 快晴の空を覆ったキノコ雲に、自分たちの荷物の威力を知らされていなかった乗組員は呆然とした、といいます。そういえば、このひと月ほど、乗組員や関係者の新たなコメントが出始めていますね。興味深く拝読しています。



 ワシの母は、当時9歳の誕生日を目前にし、呉の街に住んでいました。母の姉、小生の叔母は、同じく呉の街に住みながら、広島の女学校に通い、しかしこの時期は、学徒動員によって、軍工場で働いていました。そんな姉妹の父、小生の祖父は、呉の海軍の技術佐官のようなものだったと聞いています。

 母の記憶が確かなら、呉の街からひとつ山の向こう、すなわち広島に、まばゆく輝く光を見たそうです。キノコ雲の記憶はないだとか。叔母は、その日は家にいて、難を逃れました。その2週間後くらいに広島に行ったらしいのですが、その惨状……何も無くなっていることの惨状に唖然としたそうです。



 ワシは幾度か広島を訪れていますが、例え出張で行ったときであっても、平和祈念公園に行き、平和の火に向かってひとり黙祷をします。幸いにして――身内のことなのでそう表現させてもらいますが――今のワシに直接繋がる親族は被爆をしませんでしたが、それはほんのちょっとの偶然で、犠牲になった方々を悼む気持ちは、この場合、ある意味で身内に捧げるそれに近いものがあります。

 ・・・・・・けして、8/9の長崎を軽視するワケでは無いのですが、そんな身内の事情もあって、ワシはどうしても広島に思考が寄ってしまいます。そういえば、似たようなことは、4年前のこの日にも書いてますがw。



 以下のような書き方は、エセ道徳家っぽくて好きじゃないんですが。かつ、神主としてどうかとは思いますがw。



 この社会は、人間にとって不平等に満ちています。それが人間のはかりごとか、神と呼ばれるものの目論見か、それは分かりませんが、そんな中、数少ない平等な行為が「祈る」ということ。

 「祈る」ことは、核問題を何も解決させませんが、「祈る」気持ち無くして、核問題は解決しない、と思います。どんなアクションプランを起こすにも、人がそれをやる以上、根底に敷くべきは不退転の決意です。

 戦争を「絶対悪」と断定できるほどの考察は出来ていませんが、きっと核兵器は「絶対悪」だと確信しています。唯一の被爆国である日本、そこに住む人々が果たせることは多いはずで、それは語弊を恐れずにいうなら「義務」だと思っています。

 ワシは体験しなかったこの悪夢を、しかし決して忘れないために、8/6を祈ります。

2005-8-9 (Tue)Version 
まさか本当に解散するとはねぇ。

【郵政は争点ではない】
衆院選:「自公で過半数取れなければ退陣」小泉首相明言
(MSN-Mainichi INTERACTIVEより。以下『』内は記事よりの引用。若干の記事の組替えをしているので、必ず記事原文もご参照ください)

 総理の発言を抜粋すると、

『今回の解散を「郵政解散」と位置付け』『「国会は郵政民営化を必要ないという判断を下したが、民営化に賛成するか、反対するか、国民に問いたい」』

 いや、待てと。社会インフラの運営を国営と民営どっちにすべきか、なんてことが国権の最高意思決定機関(国会)のメンバーを選ぶ争点にされてはたまらない。

『「このままで行財政改革ができるのか。「もっと大事なことがある」という人がたくさんいるのは知っている。しかし、郵政民営化ができないで、どんな大改革ができるのか。」』

 条件と結果がおかしい。郵政民営化ができることが、何故の他の大改革実現の条件になっているか、さっぱり分からない。

 もう、ムツカシイことは嫌いなんでシンプルにいきますが、今の日本国の運営に際して最大の問題は、700兆円を超える借金です。郵便事業が国営だろうが民営だろうが解決しない問題です。ここで、郵政を争点にして選挙の判断をしてしまったら、次の総選挙(ないしは参議院改選)まで、国民はこの借金の解決に関して意思を表明することが出来ない、すなわち、この問題が棚上げにされるのと等しいことです。

 ちなみに、あちこちで言われている例えで恐縮ですが、この700兆円の借金とは、国民一人あたりに分配すると550万円の借金を背負っていることになります。また、平成16年度の歳入は、公債(国債)発行を除けば約42兆円で、公債発行額は35兆円。一般家庭に例えると、年収420万円の一家が、7,000万円の借金を抱えて、さらに毎年350万円の借金が増えている状態です。いかに異常かは言を待たないでしょう。(とはいえこれは非常に単純化した計算です。実情を完全に反映したものではありません)

 郵政が争点、と言われる中、この700兆円超の借金と向かいあい、税制改革や年金対策、経済政策に外交対策、さらには環境政策まで、といった、政治家本来の業務に対し真摯に向かいあい、その解決の為の青写真を描き、それを争点とする政治家こそが、今、国政の場へ向かう資格を持った政治家です(あくまで資格。選ばれるかどうかは、選挙の結果です)。

 また、マスコミの姿勢も注目です。今回の選挙を迎えるにあたってどのような報道をしてくるかは分かりませんが、少なくとも額面通りに「郵政」を前面に押し出してくるのは、あまり信用しない方が良いと思います。視聴率や部数欲しさか、あるいは、デスクが何も分かっていないアンポンタンかもしれませんが。

 党、を基準に考えると、今回の選挙は本当に選ぶのに苦労します。ここは、大変だとは思いますが、自分の選挙区の候補者一人一人の発言に耳を傾けねばならないでしょう。

 そして、今回の選挙で、豆粒のような大きさですがひとつだけ期待しているのは、今後、党利を越えた判断が、選挙や国政の論点になりはしないかな、という点。今回の、郵政への造反は、ある意味で良い過去事例になったと思います。国民に迎合する、という意味ではなく、世論や世の流れを背に判断することは、党利を超える価値を持ち得る、ということに、政治家“個人個人”が気付いてくれれば、日本の政治は、ほんのちょっとだけ、良い方向に進むのじゃないかな、と夢想します。

2005-8-15 (Mon)Version 
世間はお盆だってことをすっかり忘れて忙殺され中。そして今日は終戦記念?日

【郵政は争点ではない 補足】
 ワシとは別方向の見解も載せておきたいので。まぁ、激しくガイシュツですが。

やはりマスコミがひた隠しにする郵政解散の理由と争点

 まぁ前回書いたのは、郵政民営化の良し悪し、ではなく「郵政を最大の争点にした選挙はいかがなものか?」という点なので、その意味では若干「別方向の見解」でもないのですが、「郵政」を論点にする場合に読んでおいて損は無いかと。



 もう一個紹介したいのは、国債などに関する分かり易い説明。

国の借金ってどうしてマズいの?

 国民のカネと、企業のカネと、国家のカネは、全て結びついているという意識、これはかなり重要かと思います。一論とはいえ、現状の説明としてはまさに正鵠を射ているので、経済問題を語る立候補者の演説に耳を傾ける前に読み返してみたいな、と。



 どちらも、某所で8/9付のテキストを再掲したら、コメントで教えていただきました。ありがとうございました。

2005-8-18 (Thu)Version 
唐突に「短兵急」という単語を思いだし、その音感に獲りつかれてしまった。「たんぺいきゅう」

【郵政は争点ではない 補足の補足】
 すんません、自分の見解ではなく、人様のを紹介してばかりですが。

●「やはりマスコミがひた隠しにする郵政解散の理由と争点」がひた隠しにする郵政解散の理由と争点。夜のシマネコより)

 前回紹介した「やはりマスコミがひた隠しにする郵政解散の理由と争点」に対する、真っ当で分かり易い反駁。郵貯、簡保がもつ、350兆円といわれる資産は、そりゃあ、誰だって分捕りたいですよね。

 国の持つ(預かる)資産として、もっとも大きいこれを運用しないでばらまいちまおう、ってのは、大借金国家にしては気前が良過ぎる訳で。

2005-8-30 (Tue)Version 
刺客/資格/視覚/四角/死角/視角/四画 vs 刺客

【しきゃく】
 たまたま……というワケでも無いんですけど、二人の友人のBlogに「刺客」を「しきゃく」と読む報道の話しが書かれてまして。
 
選挙が近い
 シンプルなツッコミに奥深さを持たせているあたり、小生の、やりたいけど苦手な手法です。

刺客とロック
 選挙の話から報道の話し、そして恐らくメインであろう音楽の話しに持って行く展開が絶妙です。

 そして、昨日はこんな記事が。

「刺客」と呼ばないで 自民、報道各社に申し入れasahi.comより)
 「刺客」と呼ばないで――。自民党は28日夜、郵政民営化法案に反対した前衆院議員への対立候補について、「刺客」という言葉を使わないよう報道各社に文書で申し入れた。小泉首相の反対派への強硬姿勢を示す言葉としてメディアで頻繁に使われているが、「イメージが悪い」として、異例の要請に踏み切った。
 申し入れの理由については、(1)党として刺客と呼んだことはない(2)刺客は「暗殺者」を意味し、候補の呼び名としてふさわしくない(3)党とその候補のイメージダウンを図る効果が生じている――をあげている。


 まぁなんというか……政治によるマスコミへの圧力、でしかないですわな。ここまであからさまなことをしてしまうのは、“政権与党”なるものの驕りか、余程のアホか分かりませんが。恐らく、その両方でしょうが。

 とはいえ、それに屈するマスコミがいるのも事実。テレビから「しきゃく」と聞こえてこなくなったら、この国のマスコミは死んだと思った方が良いですね。まぁ、既に危篤なのは、マスコミを第4の権力としたときの他の三権と同様ですが。

 kitano氏のBlogでの、本件の考察が秀逸です。テレビの視聴時間と支持政党の相関などにまで話しが及んでいて、今回の選挙と報道と視聴者の歪んだ関係性が露呈されています。必見。


【まにふぇすとぉ!】
 引き続いて、同じくkitano氏のところへのリンクですが。

おたくのための選挙資料(1):自由民主党の公約
おたくのための選挙資料(2):民主党の公約

 これはもう、kitano氏の十八番と言ってしまいますが、極端に言えば「情報統制」にあたる法案、「青少年健全育成法案」(とその類似法案)について、特に掘り下げて考察しています。

 「犯罪につながる」などの理由で、特定の年齢に至らない子供たちから、暴力やエロスを含んだマンが、ゲーム、その他創作物を取り上げよう、というこの法案。ご存知の通り、神奈川県では特にこの理念と制度の導入に向け、知事自らが尽力しています。

 こんな、親が子供にモノの分別を教えられなくなった時代、それを法を以って行おうという統制社会の到来。“情報”に罪は無く、問題は、それを扱う人間の側にあるのに・・・・・・。子供から情報を取り上げる前に、親が親たり得るよう教育するプログラムを法案化したほうが良いんじゃないですかね?(はんっ!)

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